【記事タイトル】t0006_トイレつまり スッポン
【カテゴリー】コラム_トイレ / コラム_トイレ_つまり

スッポン(ラバーカップ)を使うまえに

スッポンを使うときには、事前に確認しておきたい注意点があります。
トイレつまりを悪化させないために、また、スムーズに効果を得るために、以下の2点の確認をお願いします。

トイレつまりの原因は?

スッポンは空気圧と水圧を利用して、トイレつまりの原因を吸引するアイテムです。
とはいえ、便器につまったものなら何にでも有効というわけではありません。
基本的にスッポンが有効なのはトイレに流してもよいものがつまりの原因となっている場合です。
例えとしては、トイレットペーパーや流せるお掃除シートや排泄物などがこれに相当します。
逆に、トイレに流してはいけないものや非水溶性の固体などは、スッポンで取り除くのは至難です。
スマホや時計、ブレスレット、ボールペンや、生理用品・おむつなどが挙げられます。

つまったトイレは洋式か和式か

もう1つ気を付けておきたいのは、スッポンには大きく分けて和式用と洋式用の2種類あるという点です。
一般に「スッポン」と聞いて思い浮かべるであろうおわん型のタイプは和式用になります。
洋式用は吸水カップがつぼ型をしていて、洋式便器の排水口によりフィットするように設計されています。
さらに近年では、より複雑な形状をしている節水型便器対応タイプや四角形の排水口向けのラバーカップも販売されています。
購入するときは事前に自宅の便器の種類を確認し、適切な種類を選ぶようにしましょう。

和式用と洋式用のスッポン

 

スッポン(ラバーカップ)の正しい使い方

スッポンを用いたトイレつまりの処置法について、手順を追って紹介します。
※ここでの手順は、和式便器ではなく洋式便器のものになります。

準備するもの
  • スッポン(ラバーカップ)
  • ビニールシートや新聞紙(水はねによる汚れ防止のために床に敷く)
  • マイナスドライバー(止水栓を閉めるため)
  • バケツや灯油ポンプ(トイレにたまっている水をくみ出せるもの)

1. 止水栓を閉める

まず、トイレのタンク脇の止水栓をマイナスドライバーでひねって閉めます。
つまりが解消できていない段階で、誤って水を流してしまうのを防ぐためです。
止水栓が見当たらないときは家屋(もしくは部屋)全体の水道の元栓を閉めましょう。

2. 便器周辺が汚れないようにビニール袋や新聞紙を敷く

スッポン使用時には、汚水が飛び散ることが懸念されます。
周りが汚れるのを防ぐため、あらかじめ床に新聞紙など汚れても問題ないものを敷いて養生しておきましょう。

大きめのビニールに穴をあけてスッポンの取っ手を通し、上からかぶせるようにして使っても、汚水の飛散を妨ぐことができます。

3. 便器内の水量が適切か確認する

便器内にスッポンのカップが浸かるくらいの水量があるのがベストです。
トイレつまりのせいで水が流れず便器内の水が多くなってしまっている場合は、あらかじめ適量まで水を取り除いておきましょう。
灯油ポンプが便利ですが、ない場合はバケツやペットボトルを切ったものを代用して水を汲みだしてもOKです。

4. スッポン(ラバーカップ)を使用する

準備ができましたらスッポンを使ってみましょう。
コツは、カップを排水口に対して水平になるように密着させ、押すときはゆっくり、引くときは勢いよくすることです。
スッポンは異物を押し流すのではなく、引き出すための道具です。
押すときに力を入れすぎると接着面に隙間ができる可能性があります。
そうすると引っ張ったときに真空状態が形成されず、吸引力が大きく落ちて引っ張る力も弱まり、その結果、つまりをほぐす力も弱まります。
また、押し込む力が強すぎると、つまりの原因がほぐれないまま排水管の奥に流れてしまう危険もありますのでご注意ください。

5. バケツなどで少しずつ水を流す

スッポンを使ったことでトイレつまりが解消されたかのチェックをするため、バケツなどで便器内に水をそっと流してみます。
ここで便器内の水位の上昇が認められなければ成功です。
しかしながら、トイレつまりの原因が目視できるところまで引き出せた場合でも、便器の奥にあるつまりまでが除去できたかどうかはまだわかりません。
もしつまりが解消されていなかった場合は大量の水を流すと大変なことになってしまいますので、かならず少しずつ水を流してチェックを行ってください。

このチェックでまだつまりが解消できていないとわかった場合、3からの作業を何度か繰り返してみてください。

6. トイレのレバーを引き水を流してみる

つまりが取れて水が流れることが確認できたら、止水栓を開けて作業は終了です。
このとき、タンクのレバーを引いて水を流し、きちんと流れることを確認するとより安心です。[tpl file='e_columnTxtBtn01']

洋式トイレと和式トイレで使い方は異なる?

基本的なスッポンの使い方に大きな差はありませんが、構造上の違いによって洋式トイレ、和式トイレでは注意点が異なります。スッポンの使い方や注意点を、それぞれ解説します。

洋式トイレの場合

現在、洋式トイレは、多くのご家庭で使用されています。しかし洋式トイレは、和式トイレよりも排水口のサイズが小さく、内部の構造も複雑なため、物がつまりやすいと言われています。そのため、日頃からトイレットペーパーを大量に流さないようにしたり、用を足すたびにこまめに水を流したり、トイレに物をつまらせないようにするのが大切です。

洋式トイレでスッポンを使うときは、小さい排水口に対応できるよう、ゴム部分にでっぱりの付いた洋式トイレ用のものを使います。洋式トイレ用のスッポンは、大小など排水口のサイズに合わせてさまざまなサイズが販売されているので、購入する際は、事前に排水口のサイズを確認しておきましょう。

洋式トイレ用のスッポンを使う際は、ゴム部分のでっぱりを排水口にゆっくり押し付けてから、水を抜くように一気に引き上げるのがコツです。このとき、排水口とでっぱり部分に隙間ができないよう、ぴったりくっつけるよう意識してください。

和式トイレの場合

ご家庭のトイレでは、あまり見かけなくなった和式トイレですが、排水口が大きく排水路も太いため、洋式トイレと比べて物がつまりにくい作りになっています。ただし、重度のつまりが発生した場合は、着脱工事が必要となるため、注意が必要です。

和式トイレでスッポンを使うときは、水が飛び散るのを防ぐため、大きめのビニールやゴミ袋などにスッポンの棒(持ち手部分)が通るサイズの穴を開け、そこに棒を通して便器全体を覆いましょう。

そして、スッポンのゴム部分で排水口全体を覆うようにゆっくり押し付けてから、勢いよく引っ張り上げてください。和式トイレは、排水口の面積が大きいため、スッポンをぴったりと密着させて隙間があかないようにするのがコツです。

スッポンで直らないトイレつまりはどうする?

何度か作業を繰り返してもなかなか効果が出ないときは、水道修理業業者に相談するのが解決の近道です。
ですが、そのまえにほかの方法を試してみるという選択肢もありますので、いくつかご紹介します。

お湯(50度程度)を使う

お湯とはいっても、沸騰した熱湯を使用するものではありません。
便器はたいてい陶器製なので、熱すぎるお湯をかけると割れて破損するおそれがあります。
熱湯は絶対に使用しないでください。

スッポンのときとは反対に、お湯を使う際は便器内の水はできるだけ抜いておくのがコツです。
バケツに入れた50度前後のぬるま湯を高い位置から排水口にゆっくり便器に注ぎ、しばらく時間をおいてみましょう(時間をおいて2~3度繰り返すとより効果的です)。

この方法が有効なのは、温水で溶けやすくなる紙類や排泄物がトイレつまりの原因とわかっている場合に限られます。
スッポンと同じく、本来トイレに流さないようなものには使えません。

より詳細な手順に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。

薬品(サンポール・デオライトなど)を使う

ホームセンターやドラッグストアなどで手に入るサンポールやデオライトなどの薬剤を使用する方法です。
主にトイレにこびりついた尿石(尿の成分が固まって便器に堆積したもの)が原因でつまった場合に、汚れを溶かしてつまりを解消します。
サンポールやデオライトは強酸性の薬品なので、使うときは説明書きの指示にしたがって、ゴム手袋やゴーグルなどでしっかり身体を保護しましょう。
こちらも対象物を溶かす手法なので、水に溶けないものを落としたときには効果は望めません。
頑固なつまりには、薬剤とスッポンの合わせ技も有効です。

より詳細な手順に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。

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業者に依頼する場合の作業時間や費用

上述のやり方でも改善しない場合や取り出しにくい物体を流してしまったりしたときなどは、無理せず専門の業者に連絡するのがおすすめです。
修理の内容はつまりの程度や箇所にもよりますが、軽度なら2~30分ほどの作業で済むケースもあります。
費用についても業者によって差がありますが、一般的なつまりであれば8千円〜2万円程度が修理料金相場です。

便器の奥の配管がつまっているなど、便器をいったん取り外してから修理しなければならないこともあります。
その場合は手間と技術が必要になるため、金額が上がってきます。
相場はおよそ3~5万円ですが、水道修理業者によって差が出るところですので、見積もりの際には「もし便器の取り外しが必要になったらどのくらいの費用がかかるのか」と確認しておくのもいいかもしれません。

また、インターネットなどに記載の基本料金にどこまでの作業費が含まれているのかも業者によって違います。
驚くほど安い金額を基本料金としている場合、見積もりから料金がかかったり、出張料や時間帯による追加料金が発生する場合もあります。
料金については最終的に高額になってしまうことを避けるため、依頼前の電話などで詳細を確認しておきましょう。[tpl file='e_columnTxtBtn01']

まとめ

スッポン(ラバーカップ)はトイレつまり解消の基本グッズです。
ご家庭に1本置いておくといざというときに安心です。