【保存版】ガス給湯器の種類と特徴、
生活に合わせた選び方
給湯器を選ぶときには、ライフスタイルや求める機能から選んでみてください。この記事では、給湯器の種類や特徴、選び方について説明します。給湯器の交換を検討している方は、参考にしてみてくださいね。
風呂の給湯方法の種類
風呂の給湯方法には、
・給湯専用タイプ
・オートタイプ
・フルオートタイプ
・ガス温水暖房タイプ
の4種類の方法があります。
ここでは給湯方法別の特徴や費用相場、号数の選び方について紹介します。
給湯専用タイプ
給湯専用タイプは浴槽にお湯を貯める機能と、キッチンや洗面台などの蛇口で使うお湯を作る機能を備えているシンプルな給湯器です。給湯の際にはフルオートやセミオートの給湯器のように追い焚き穴からではなく、蛇口からお湯が出ます。
給湯器専用タイプのメリットは、他の給湯タイプの機種に比べて初期費用を抑えられることです。費用相場は設置方法によっても異なりますが、従来型であれば「6〜12万円」、エコジョーズの場合は「10〜18万円」程度です。ただし、給湯専用タイプには自動お湯張り機能はついていないので、お湯張りをするときに蛇口をひねる手間がかかってしまうことがデメリットです。お湯張りは手動になりますが、設定した水量でお湯を止める、「オートストップ機能」がついている機種も多くみられます。
ですが、給湯専用タイプは主流派ではないので、機種のラインナップが限られてしまいます。そういった点も給湯専用タイプのデメリットと言えるでしょう。
オートタイプまたはフルオートタイプ
オートタイプとフルオートタイプの給湯器には「追い焚き機能」があることが特徴です。オートタイプは追い焚きに加えて自動お湯張りや自動追い焚きの機能が備わっており、フルオートタイプには足し湯と追い焚き配管洗浄などの自動機能がついています。
オートタイプとフルオートタイプのメリットは、お湯張りや追い焚きが自動でできることです。さらにフルオートタイプであれば配管自動洗浄機能で追い焚き管のなかを洗浄できるので、毎日清潔なお湯に浸かることができます。
ただし給湯専用タイプに比べると、やはり費用は高額になってしまいます。給湯器の設置方法によっても費用は多少異なりますが、従来型の給湯器であれば「9〜19万円」、エコジョーズであれば「13〜24万円」程度がオートタイプとフルオートタイプの給湯器の費用相場です。
また多機能であるがゆえに、メンテナンスや修理の回数が増えてしまう可能性があることもデメリットと言えるでしょう。
ガス温水暖房タイプ
ガス温水暖房タイプは給湯や追い焚き、自動足し湯に加えて、暖房端末を使うことができる給湯器です。暖房端末には、床暖房や浴室暖房乾燥機、パネルヒーター、ミストサウナなどが挙げられます。熱源機で加熱した温水を暖房機能のある端末機に循環させ、その熱を使って暖房するしくみです。
温水暖房は遠赤外線によって部屋全体を温めるので、石油ストーブのように部屋でニオイがしたり空気が乾燥したりしないことがメリット。また、エアコンのように機器内にホコリを溜めこまず、室内の空気をきれいに保てることもメリットと言えます。
しかし、初期費用が高額になってしまうことや、設置工事が大がかりになってしまうことはデメリットです。ガス温水暖房タイプの給湯機器の費用相場は、従来型であれば「18〜25万円」、エコジョーズであれば「20〜27万円」程度です。けれど、床暖房を設置するための工事を同時に行う場合は、床のリフォーム費用もかかります。また、工事では床下に配管設備を設置するため、1〜3日程度はかかってしまうでしょう。
号数の選び方
ガス給湯器の場合、「号数」を決めなければなりません。号数は、1分間で給湯器が「水温+25度のお湯」を作れる能力(給湯能力)で決まります。号数の大きい給湯器になるほど、一度にたくさんのお湯を使うことができます。
号数選びの目安は以下の通りです。
- 16号=ひとり暮らしまたは2人家族
- 20号=2〜4人家族
- 24号=4〜5人家族
- 27号=6人以上家族
これらの号数はあくまでも目安なので、現在のお湯の使用量で問題なければ既存の給湯器と同じ号数でも問題ないでしょう。
既存の給湯器の号数は、給湯器の本体に貼ってあるシールの型番でわかります。たとえば、「RUF-E2007SAW」という型番の場合、20が最初に出てくるので「20号」の給湯器です。
シャワーと給湯器を同時に使うと湯が出にくい場合や、これから家族が増える予定があるのならば、余裕をもって少し大きめの号数を選んでみてください。
ガスの種類について
私たちが普段使っているガスには、「プロパンガス(LPガス)」と「都市ガス」の2種類があります。給湯器はガス種によって対応機種が異なり、違うガス種の給湯器は設置する事ができないので、自宅で使っているガス種を知っておくことが大切です。
ここでは、プロパンガスと都市ガスのそれぞれの特徴について説明していきます。
プロパンガス(LPガス)
プロパンガスは居住エリアが限られている地方都市や、隣家との距離が離れている地域で多く使われています。液化されたガスが容器(ガスボンベ)に詰められ、各家庭に供給されています。そのため、自宅にガスボンベが置いてある場合は、プロパンガスを使用しているとわかります。
プロパンガスと都市ガスの大きな違いは「料金システム」です。プロパンガスの料金システムは昔から「自由料金」になっています。料金システムに規制がないので、プロパンガスの販売店が仕入れや人件費などのコストによって自由に料金を設定できるのです。
そのため、都市ガスに比べるとプロパンガスの料金は高額になることが多く、同じ地域に住んでいてもプロパンガスを使っている家庭では「都市ガスの2倍の料金を支払っている」ということもあります。ただし、災害時に復旧が早いことや、都市ガスに比べて火力が強いことはプロパンガスのメリットと言えるでしょう。
都市ガス
都市ガスは地面の下に通された道管を伝い、各家庭にガスを供給しています。ガスを送る道管を設置するには莫大な初期費用がかかってしまうので、人口がある程度密集している地域でなければ初期費用を回収することができません。そのため、都市ガスは主に都市部などの住宅が密集している地域に多くみられます。
また、都市ガスの料金は政府の許可が必要な「規制料金」でしたが、2017年4月に市場が自由化されました。自由化に伴い料金の規制はなくなったものの、以前の規制料金と大幅に違う料金設定をしているガス会社はみられません。都市ガスを使用する場合は、料金幅がほとんどないことがメリットと言えるでしょう。
ただし、災害時に復旧が遅いことはデメリットです。都市ガスは地下深くに道管が引き込まれているので、災害時には復旧に何日もかかってしまうことも珍しくはありません。
設置タイプについて
給湯器は戸建や集合住宅、スペースの広さやパイプスペースの有無によっても設置方法が異なります。戸建の場合は、壁掛けタイプと据置設置タイプ。集合住宅の場合は、壁掛けタイプとPS設置タイプのどちらかの設置方法で設置します。
給湯器の交換をする場合は、既存の給湯器と同じ設置タイプの機器を選べば工事費用を抑えることができます。既存の設置場所が不便な場合や「据え置きから壁掛けに変更したい」など、設置タイプや場所を変更すると追加工事費用がかかってしまうので注意してください。
ここでは戸建と集合住宅、それぞれの給湯器の設置方法について見ていきましょう。
戸建の場合
戸建の場合は、壁掛けタイプか据置タイプのどちらかになります。
壁掛けタイプ
庭に給湯器を置けるスペースがない場合は、壁掛けタイプの給湯器を設置します。壁掛けタイプの給湯器の特徴は、給湯器の下側から配管が出ていることです。隣家との距離が近い場合も、狭小スペースに対応したスリム型の給湯器もあります。
壁掛けタイプの給湯器のメリットは、下方のスペースを有効活用できることや、煙突に触れにくくヤケドの心配がないことです。また、コンパクトなので故障時に対応しやすいこともメリットでしょう。ただし、機器の上を掃除しにくいことや、井戸水や地下水などを使っている水質がよくない地域では機器に負担がかかってしまいます。
据置タイプ
庭に給湯器を置けるスペースがある場合は、据え置き型の給湯器が設置されることが多いようです。据え置き型の給湯器は、給湯器の側面から配管が出ていることが特徴です(背面から出ていることもある)。据え置きタイプのメリットは、貯湯機能がついている機器があることや、給湯器上を掃除しやすいことです。
住んでいる地域で地下水や井戸水を使っている場合、水質がよくないので機器が故障しやすくなってしまいます。しかし、貯湯タイプの給湯器であれば一度にたくさんお湯を作ってタンクに貯めておくことができるので、機器を長持ちさせることができます。貯湯タンクは設置スペースを要するので据え置きタイプのものしか製造されていません。
また、据え置きタイプは給湯器の上に手が届くので、汚れが気になったときには簡単に掃除できます。しかし、据え置きタイプは場所を取ります。庭に十分な広さがない場合は、給湯器の設置スペースで庭を使ってしまうのはもったいないです。また、据え置きタイプは機器自体も大きいので故障時に運び出しが難しく、即日修理ができないこともあります。
戸建住宅にお住まいの場合は、まずは庭の広さから壁掛けと据え置きタイプのどちらにするかを検討してみてください。
集合住宅の場合
集合住宅の場合は、壁掛けタイプかPS設置タイプのどちらかになります。
壁掛けタイプ
壁掛けタイプの場合は、ベランダの壁に固定されていることがほとんどです。特徴やメリット、デメリットは先ほど紹介した戸建住宅に設置する壁掛けタイプの給湯器と同じです。
PS設置タイプ
PS設置タイプは、玄関通路や外廊下にあるパイプスペース、またはパイプシャフトのスペースに設置する給湯器です。扉の中に設置されているものや、壁に埋め込まれているものがあります。PS設置タイプの給湯器はパイプスペースやパイプシャフトなどの限られたスペースに設置するため、サイズの関係から対応できる機器が限られてしまいます。
また、PS設置タイプの給湯器は排気方法の違いによって5つの種類にわかれているので、既存の機器と同じ排気タイプの機器を選ばなければなりません。PS設置タイプを選ぶ場合には制限されることが多くなりますが、既存の給湯器がPS設置タイプの場合は、選べる機種が限られます。「どれにするか迷わない」という点はメリットと言えるかもしれません。
省エネならエコジョーズがおすすめ
ここまでは給湯器やガスの種類、設置タイプについて紹介してきました。給湯器の種類にはオートやフルオート、給湯専用タイプがありますが、そのなかでも「省エネ」にこだわるのであれば、「エコジョーズ」がおすすめです。
エコジョーズは少ないガス量でも効率よくお湯を沸かすことができる、「省エネ性」の高い給湯器です。少ないガス量でお湯を沸かせるということは「ガス料金の節約」にも繋がります。また、お湯を沸かすときにでるCO2の排出量も少なくなり、近年問題視されている「地球温暖化」にも対応することができます。
具体的な数値で見ると、給湯の熱効率は従来型が80%なのに対してエコジョーズは95%と、15%もアップしています。熱効率が15%よくなるということはガス使用料も15%カットできるので、従来型に比べてエコジョーズは「ガス料金を15%節約できる」ということです。
CO2の排出量も従来型よりも15%もカットできます。
従来型と違ってエコジョーズが効率よくお湯を沸かせる理由は、排気熱を上手に活用しているからです。従来型の給湯器では200℃の排気熱がありましたが、エコジョーズではその熱を利用するので排気熱は50℃になっています。今まで使わずに捨てられていた排気熱を利用して水を温めることによって、従来よりも少ないガス量で効率よくお湯が沸かせるのです。
ただし、エコジョーズは従来型の給湯器に比べると費用は高くなってしまいます。工賃込みの費用相場は給湯専用タイプのものだと「10万円〜」、追い焚き機能ありのものだと「13万円〜」、ガス温水暖房タイプのものであれば「20万円〜」となります。
給湯器メーカーによる違いはあるの?
給湯器メーカーを決めるときにまず思うのは、「メーカーによってどんな違いがあるのか」ということだと思います。結論から言うと、メーカーによって「性能・価格・耐用年数」に大きな違いはありません。どのメーカーも同じような高品質の機器を製造、販売しています。
ただし、メーカーによって特徴やアフターサービス、強みなどは少しずつ違います。では、国内給湯器の4大メーカー「ノーリツ・リンナイ・パロマ・パーパス」の強みと特徴を見ていきましょう。
ノーリツ
まず、ノーリツの給湯器の特徴は「高い熱効率とエコ機能」です。ノーリツは環境省が制定した「エコファースト制度」の認定メーカー。地球温暖化や環境問題に配慮している企業だと国から認められているのです。待機電力も従来型の50%以下に抑えるなど、省エネに特化した給湯器の開発をしています。
リンナイ
リンナイの強みは「豊富なラインナップと給湯器の軽さ」です。リンナイは独自商品やサービスを開発し、その性能は国内外でも高く評価されています。シャワーにゆらぎをつけてリラックス効果を高める工夫をしたり、湯冷め防止機能をつけたりなど、女性にうれしい機能がついています。
パロマ
パロマは給湯器メーカーのなかでも歴史が長く、アメリカでも大きなシェアを獲得しています。給湯器の特徴はシャワーを止めたあと、もう一度シャワーをつけたときに冷たい水が出る「冷水サンドイッチ現象」を防ぐための機能がついていることです。シャワー時に水の温度差を防ぎ、シャワーを快適な時間にするための工夫が見られます。
パーパス
パーパスは、2000年に日本初の「エコジョーズ」の開発をした技術力の高さが強みのメーカーです。給湯器の特徴は、半身浴に適した水温や湯量に自動で調節される「半身浴モード」をはじめとした「美容と健康」に気をつけた機能がついていることです。
これらのメーカーの特徴や強みに加え、24時間修理受付対応やメールでの修理受付対応など、アフターサービスも少しずつ異なります。強みの性能やアフターサービスなど、「なにを重視するか」によってメーカーを選ぶとよいでしょう。
給湯器の値段は業者によって違うの?
給湯器は「給湯器メーカー、ガス会社、給湯器販売・工事業者」で購入するのが一般的です。給湯器メーカーから購入する場合は、修理や部品交換の対応が素早いなどのメリットがあります。しかし、メーカー内の機種しか選べないことや、割引率が低いことがデメリットです。
ガス会社から購入する場合はガスの支払い明細から連絡先を知ることができるので、修理や部品交換依頼の際にどこに連絡するか迷わないことや、知らない業者から購入するよりも安心感があることがメリットと言えるでしょう。しかし、ガス会社もメーカーと同様に、給湯器の値下げ率が低いことがデメリットです。
給湯器販売・工事業者から購入するときには、機器の値引率が高いことや独自のアフターサービスが手厚いことがメリットです。しかし、数ある業者のなかから自分で業者選びをしなければならないことや、なかには信頼しがたいような業者もあることはデメリットと言えるでしょう。
給湯器販売・工事業者が割引率が高い理由は、市場競争にあります。安心感や知名度で顧客を獲得しやすいメーカーとガス会社に比べて、給湯器販売・工事業者は他社との市場競争が激しいため、割引率やアフターサービスを手厚くすることによって顧客を獲得しているのです。
「安心感とアフターサービスの素早さ」を重視するのであれば、メーカーまたはガス会社。「価格と手厚いアフターサービス」を重視するのであれば、給湯器販売・工事業者から購入することをおすすめします。
給湯器メーカーで購入した方が安心?
メーカーから給湯器を購入する場合は、修理や部品交換対応などがしっかりとしているので安心感を得られます。しかし、「メーカー以外はダメ」というわけではありません。
先ほど説明したように、給湯器販売・工事業者は市場競争を勝ち抜くために、独自の手厚いアフターサービスを用意していることが多く見られます。即日修理対応や24時間対応など、アフターサービスの内容は業者によってさまざまです。
また、機器購入時には機器自体に「メーカー保証」や「延長保証(商品保証)」、工事に対する不具合があったときのために業者がつけている「施工保証」があります。メーカー保証に関しては、どこで購入しても必ずつくものです。しかし、延長保証は業者が独自で設けている保証なので、延長期間は業者によって異なります。さらに5年や10年など、延長期間が長い保証は有料になることがほとんどです。
給湯器を購入する販売店を決めるときには「どんな保証が受けられるのか」を事前に確認し、しっかり把握しておくことが大切です。
まとめ
給湯器を選ぶときには、まずは自宅はプロパンガスと都市ガスのどちらを使っているのかを確認しておきましょう。必要だと思う機能から給湯器のタイプをおおまかに決めて、設置方法なども確認してからどこで購入するのかを決めてください。
購入時には「安心感・価格・アフターサービス」など、なにを重視するかによって販売店を選びましょう。給湯器は故障してしまうと、とても不便です。故障してしまう前に、早めに新しい給湯器への交換をしておきましょう!
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